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U-20W杯カナダ大会に行ってみたその8

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 すでに日本に戻ってきているのですが、今回のブログもU-20ワールドカップカナダ大会のことを書きます。
 今後、僕はこのカードと同じ試合を見る機会があるのかしら。多分、ないだろうな。だってU-20ザンビア対U-20ナイジェリア戦だよ。日本人がこのカードを見る機会って、そんなにないよね。でも見てみたかったアフリカ対アフリカの試合。人生で初のカードです。
 試合前、スタンドのU-20ザンビアサポーターが、ピッチ半面を使ってウォーミングアップをする選手たちに向かって、彼らの気持ちを高めさせようと、大きな声援を送っている場面を見ました(写真参照)。本来、地域に根付くサッカーでは、実力やスター選手が所属しているなんてことは、応援するチームを決定する理由にはならないのね。レベルがどうであれ、自国や地元のチームを応援するのが普通なのです。その熱い行為に、ちょっとウルってきてしまいました。そうしたサッカーの持つ純粋性を無視して、強いチームに興味を持ってしまうから、僕は祖国の頑張った姿を見ることができなくなってしまうんだな。ちょっと反省。
 では前回から続いている、僕が感じたアフリカサッカーの強さの秘密の話です。U-20ナイジェリアの強さは、その整然としたチームの一体感から察することができます。10日の練習でもそうだったのですが(そのへんの詳しいことは、前回のブログを見て下さい)、選手たちは試合前のウォーミングアップを、一列になって規則正しくこなしていました。統一された美しいウォーミングアップからは、勝負に対する集中力がヒシヒシと伝わってきました。このブログでも何度か書いていますが、選手たちにダメダメウォーミングアップしかさせられない、日本代表のコーチ陣に見せてやりたい美しさでした。
 練習を非公開にし、試合前の一体感を作り出すための規則正しい練習を行っているU-20ナイジェリアの姿をこうして見ると、勝利のための要素を確実に消化している大人のチームという印象を受けます。選手の技術以外での充実は、勝利の確立を高める行為であることは間違いなく、身体能力ばかりがクローズアップされますが、むしろこうした洗練された考え方を持っているところが、U-20ナイジェリアの強さの秘密と言えるのではないでしょうか。そうした行為がチームにとってプラスになるということは、おそらく多くの人が分かっていることです。しかし分かっていても、みんなでやることだから、実践するのはなかなか難しいものがあります。それをU-20ナイジェリアはしっかりと実践しているのですから、本当にたいしたものです。
 練習時や試合前のウォーミングアップから考えてみると、対するU-20ザンビアはちょっと子供のチームかなぁ、という感じです。まだまだ試合に臨むまでの準備の仕方には、改善の余地がありそうでした。
 試合はというと、予想通り攻勢に出たのはU-20ナイジェリアでした。レベルの高い選手が揃うU-20ナイジェリアのなかでも、14番のチュクマ・アカブエゼのプレーは、周囲を圧倒する存在感を放っていました。近い将来、世界の舞台で活躍するであろう才能を秘めた選手だと思います。
 3分のいきなりの先制点で波に乗ったU-20ナイジェリアは、さらに攻勢に出ます。しかしU-20ザンビアも負けていません。チャンスはそんなに、いやぜんぜん多くないのですが、ときおり見せるサイドを突破してのセンタリングというシンプルな単発攻撃が、また入りそうなんだよね。指導者の「オレたちの戦い方はこれだ」という統一された戦術が選手たちにインプットされているから、劣勢のなかでも決定的なチャンスを生み出すことができるのです。あくまでも僕的ですが、U-20日本にはそうした「これだ」という戦い方が見られなかったのは、ちょっと残念だったかなぁ。2試合しか見ていないけど。
 話はここで本題に戻ります。スポーツでは身体能力に優れた選手の方が、良いプレーを見せられる可能性は高くなります。この意見に反論はないでしょう。しかしその個人能力が、そのままピッチでのパフォーマンスに直結しないのがサッカーです。他の団体競技でもそうだろうけど。だから勝利のためには、チームの総合能力を上げるためのベースとなる団結力が必要になります。そう考えるとU-20ナイジェリアは、試合前の練習でもしっかりとその団結力を高める方法を実践しています。このブログを書いた時点で、U-20ナイジェリアは準々決勝でU-20チリに敗れていますが、やはり強いチームはやるべきことをしっかりとやっているのです。そうした正しい練習方法は、必ず結果となって出てきます。
 では、ここで時間が少し戻ります。8日に僕が行ったU-20ガンビア対U-20ポルトガルの試合に、日本サッカー協会のスタッフの方が観戦に来られていたようです。世界のサッカーの情勢をチェックする、こうした努力はほとんど一般的には知られていませんが、日本サッカー発展のためには絶対に必要な行為で、それを行っていることは実に素晴らしいことだと思います。
 しかし世界のチームをチェックしているだけでは、発展はしません。大事なのは、世界の良い部分を自分たちのチームにも積極的に取り入れていくことです。なんと言っても、日本はサッカー発展途上国なのですから。だからこのU-20ザンビア対U-20ナイジェリアの試合を、日本のスタッフの方が観戦していたり、後日、試合のビデオを見る機会があったとしたら、少しでも試合に勝つ確立を上げるために、日本にもU-20ナイジェリアが行っていたようなウォーミングアップを取り入れてみませんか。そうやって勝利の確立を上げていこうよ。たかが試合前のウォーミングアップと思う人がいるかもしれませんが、僕はこういうのって、すごい大事だと思うんだよね。
 話に日本が出てきたので、次回はこの大会で僕が感じた日本サッカーのことを書いてみます。


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スポーツ三昧

徳原さん、取材ご苦労様でした。昨年のワールドカップで取材費を使いすぎて、わたしは日本でコパアメリカ、U-20ワールドカップ、アジアカップとテレビ観戦しながら、ナビスコ杯、マンUなど国内取材していました。今朝のチェコvs.オーストリー戦を見て、つくずく「U-20日本は惜しいことしたな」と思っている次第です。試合前のウォーミングアップの件、やっこさん(吉田監督)に伝えておきます。知らない仲でもないんで。でも彼はこれでU-20監督は解任ですよね。U-17ワールドカップは関釜フェリーで行こうと思ってます。もちろん、徳原さん行きますよね。
by スポーツ三昧 (2007-07-19 12:32) 

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